遺言問題
遺言書のメリットを把握する
相続トラブルを避けるために、遺言書を作成しておきましょう。相続税の対策にもなりますので、ぜひご検討ください。
MERIT 遺言書の利点
遺言書を書く一番のメリットは、残された家族が自分の相続でもめる要因を減らせること。自分の意思を遺言書という形で残しておくことで、相続人は故人の遺志を尊重したいと思います。また、詳細に財産の種類やわけ方などを指示することで、相続人が相続手続きの際に悩むこともなくなります。遺産分割協議もする必要がないため、ご家族の負担をできるだけ小さくすることができます。
●遺言書を作成するメリット
①相続財産のわけ方を指定できる
遺言書で相続財産のわけ方を指定することができます。ただし、後々トラブルにならないよう遺留分を侵害しない範囲で指定しましょう。
②事業承継に活用できる
遺言を活用し、後継者を自由に決めることができます。生前贈与と異なりいつでも撤回が可能なので、万が一のために経営者の方は作成しておくことをおすすめします。
③特定の相続人に「相続させる、させない」が指定できる
法定相続人以外に相続させることや、特定の相続人のみに財産を相続させることが可能です。
④遺言執行人の指定
遺言の内容を実行してもらう人を指定することができます。
⑤認知と未成年後見人の指定
婚外子を認知することができ、認知された子どもは相続人になることができます。未成年後見人の指定は、相続人の中に未成年者がおり、かつ親権者がいない場合は遺言によって後見人を指定することができます。
POINT
遺言書に
ついて
-
公正証書遺言
公証役場で、二名の証人の前で遺言内容を公証人に申し述べ、公証人が遺言書を作成。遺言内容を確実に相続人に伝えるためには、公正証書遺言をおすすめします。
【メリット】
●公文書として強力な効力をもつ
●家庭裁判所での検認手続きも不要
●死後すぐに遺言の内容の実行が可能
●原本は公証役場に保管されるため、紛失・変造の心配がない
【デメリット】
●成年者の証人が必要(推定相続人やその配偶者、ならびに直系血族などはなれない)
●遺言書の作成に費用がかかる。 -
自筆証書遺言
自筆で遺言書を作成し、日付・氏名を記入の上、押印します。
【メリット】
●手軽で、いつでもどこでも書ける
●費用がかからない
●誰にも知られずに作成できる
【デメリット】
●直筆で書く必要がある
●不明確な内容になりがち
●形式の不備で無効になることがある
●紛失や偽造・変造・隠匿のおそれがある
●家庭裁判所での検認手続きが必要 -
遺言書の保管
遺言書は見つけてもらえなければ、法的効力を発揮できません。遺言書は相続人の方たちがすぐにわかるような場所(隠されたり、勝手に書き換えられたりする心配のない場所)に保管しておきましょう。
●公正証書遺言の場合
遺言書の原本が公証役場に保管されているため、相続人に遺言書を作成している旨と公証役場の場所を伝えておきましょう。遺言書の存在が明らかになった場合、相続人が閲覧を請求しても公証人が応じることはないのでご安心ください。
●自筆証書遺言の場合
親族などに預けることもあります。しかし、法定相続人など遺産に利害関係のある方に預ける場合は隠匿や改ざんの危険があるため、公正な第三者や司法書士などの専門家に預けるのがよいでしょう。